WDB PARADISE

青空整備工場 E280

此処に記載の作業には専門的な知識と工具、資料が必要です。(最新2006/5/5)

1.BTSキット組み込み
初期ロールが大きくカーブで不安を感じる事がある(本来のベンツ味ではない)
高速道の継目段差を通過した時の収まり方が変?(トンと一回で収まる筈)
ステアリングが軽い印象(しっかり、どっしりしている筈)・・・など
190E-2.3時代にショックアブソーバーを交換した経験から、このE280もショックの劣化を疑いました。
当初は 1.純正OEM品で改修する 2.少し高いけどBILSTEIN 3.MONROW・・・ 原資が無いので悩みは続く・・・
ある日、ネットオークションを巡回中に BTSキット(124用) を発見! ダメ元で直ちに入札開始。
・・・普段良い行いをする人にはきっと良い事が有る筈(完全自己中心的考慮)・・・
競り合うことなく開始値段で落札できました(神仏に感謝!)
さあ、ショック交換するならばついでに交換すべき部品を手配。(アッパーマウント、バンプラバー)
BTSキットを組むと車高が3cm程度下がりますが、今回は下げる事を目的にしていないのでスプリングシートで調整します。
純正装着は前#2、後#2でした。前#4、後#3を手配(これで下げ幅は2cm程度に収まる)


作業前

作業完了

BTSキットと工具類

純正スプリングはここまで圧縮しないと取外し不可
スプリングシートは#2が装着されていました。

リアショックアブソーバー(上が純正品)
BTSキット(下)はショートストロークです

作業ついでに前輪のABSセンサーを点検します。
中央のマイナス状に見えるのがセンサーマグネット
ブレーキクリーナー等で清掃、組み付け

組み付け完了した右前輪
スプリングシートは#4を使用しました。

この作業を行うならばアッパーマウントは交換すべき


純正装着されていたスプリング、ショックアブソーバー、アッパーマウント(箱)、スプリングシート
バンプラバー(ショックに付いている黄色の部分)
その他リペアパーツ(ボルト、ナット類)

 結果は
1.初期ロールが押えられてコーナーがスムーズ。
2.今までステアリングが軽すぎる印象でしたが、それも改善されて しっとり、どっしり、良い感じです。
3.高速域での安定感は更に良くなりました。
4.凸凹での収まりは非常に良いです。
5.乗り心地は、一人〜二人乗車では硬さは感じません。 しまった良い感じです。
 定員乗車では凹凸を伝えて硬い印象があります。

もう少し馴染ませるとまた印象が変わるかもしれません。

外したフロントショックは思いの外“ヘタリ”が有りました。立てた状態で上から押し付けるとスーと縮んでしまいます。
本来は反発力を感じる筈ですがそれが有りませんでしたので劣化と判断しました。
リアショックは劣化を判断できませんでした。まだ十分使えます。
ショックアブソーバーのメーカーは“SACHS”でした。
190E-2.3の時も現車両とほぼ同走行距離(50,000km未満)で交換しましたが“ヘタリ”をはっきりと判断できるほどでは有りませんでした。
190E-2.3は“BILSTEIN”が純正装着でした。


2.エアコンのコンプレッサーをO/H (2004/9/16)
  <業者へ依頼>
 ツーリング参加前日にコンプレッサークラッチ下にOIL漏れを発見。
エアコンは冷えているが少し冷えが甘い状態。
その後、少し走行して様子を見ていたがやはりOIL漏れは増える。

コンプのOHを決断しましたが、型番から部品調達よりも、
日本デンソーサービスへ持ち込み現品合わせでOHが可能 との事で依頼しました。
コンプを外すとエンジンがかけられません、つまり動かせなくなります。
(ベルトを外すので、PS、WP、発電機など全て×) で、行きつけの工場へ持ち込み、3泊でした。
工場、デンソーSの好意により画像を撮ると共にOH中を見る事が出来ました。

コンプは
シャフトシールが硬化して×でした。
OHガスケットキット
ベアリング
ピストン(一本で2気筒、線傷を確認。 始めて見ました、シリンダー接触面にはテフロン?加工がなされていました)
クラッチCリングセット
Oリングセット

OHは\35,000-程でした。
リビルト品を使うより安価安心だと思いました。


取り外されたコンプレッサー(日本デンソー製) 電磁クラッチ(異常無し)
分解されたコンプ ピストンにはコーティングが

3.エンジンコンピューター(ECU)交換 (2004/12/24)

 夏ごろから時々不調でした。今思えば昨年の秋頃から?でした。
走行中に排気温ランプが点灯したりアイドリング時にエンジンが大きく振動する。
時々なので騙し騙し乗っていたのですが(もしかすると自然治癒するかも・・・と期待を・・・)とうとう常時4気筒状態に。
6気筒ですが点火コイルは3ヶで2気筒一緒に点火。1-6,2-5,3-4の組合せです。従って混合気の無い気筒にも点火しています。
我車の場合、1-6のコイルに点火信号が来ないのです。
エンジンハーネスは新品交換済み、コイルを他の気筒と入れ替えても症状は同じ。
排ガスは生ガスが出ますのでインジェクターは動作している(プラグが濡れる、排気温警告灯が点灯する)
 ダイアグには失火情報だけが出ます。点火コイル不良でも同様になりますがコイルを入れ替えてプラグを確認すれば分ります。
アイドリングが低く、振動が酷くなります(大きく左右に揺れる)が凄いのはこの状態でもエンジン回転数を
上げれば走れるし1500回転も回れば振動はあまり感じられなくなる事。
ただしこの状態は危険です、触媒内が高温になり火災や触媒破損につながります。

 辿り着いた結論は“ECU不良” 恐れていた事が現実になりました。
しかし、愛車をここで捨てる訳にも行かず。。。思い切って交換です!
 バッテリーを外してから奥の樹脂カバーを外せば見えますが取り出しにはコツが必用です。
これらコンピューター等電子部品を触る時には必ず車体の金属部を触って人体の静電気を逃がすと共に
端子部分を触らないように注意が必要です。
 新旧入れ替えてエンジンスタート! 緊張する一瞬です。アイドリングは静かです!大成功!
と此処までは良かったのですが・・・走らせると・・・3,500rpmで燃料カットが働く!?
空ぶかしでも3,500rpmで燃料カットが働く???(空ぶかしでは4,000rpmがリミッタ動作点)

 実は コーディング(ROMに車両情報の書き込み)が必用だったのです。
もちろん書き込みをしてもらい完了。
 アイドリングから国内リミッタ動作速度(タイヤの速度記号による条件)までスムーズです(めでたしめでたし)
                                 でも 20福沢諭吉 は痛かった(T_T)


一番奥にあります
取り外しは慎重に

CPUのカバーは外してあります(左上の樹脂)

半田の亀裂等は見られませんでした

 内部を確認しましたが特に半田不良でも無さそうですしパワートランジスターの不良かも知れません。
これからゆっくり検査してみます。     ECU不良は極めて稀なケースとの事ですが・・・


4.センターロッド、タイロッド(左右)の交換
 速度計が1時〜3時の位置にあたる速度で微妙にブレる、浮き上がるような感じ、コーナーでステアリングを修正し続ける
 などの兆候が見られましたのでタイロッドを点検。ガタは無いもののセンターロッドともにジョイント部がクタクタ動きます。
 タイロッドブーツも亀裂が見つかりましたのでセット交換。交換には専用工具「タイロッド抜き」が必要です。
 そして交換後はトーイン調整(すべり量)をする必要が有ります。
 タイロッドブーツが破れていると車検は不合格ですし、ジョイント部が著しく損傷し、異音や直進性不良などの現象が出る。


タイロッド右はエンドを外してあります。
外したものはジョイント部が指でカクカクと動かせます
が新品は相当力を入れないと動きません。

新品のタイロッドエンド

 交換したらどうなったか?
 それはもう 思わず笑顔に。 上記の速度でもステアリングを指で摘む程度で気持ち良く・・・しっとり感 が良いです。
 50,000km超えたら交換部品として予定しておきましょう。
 ステアリングダンパーやアイドラアームと同時交換
がお得ですし、その効果には驚かれるでしょう。
  (2005/5/1記載)


5.燃料フィルターの交換
 ’93〜’95式のエンジン制御はモトロニック、それ以前はKEジェトロニック。
 モトロニック式の燃料フィルター交換サイクルは5万km、KEジェトロニック式は1.5万kmで交換することが望ましい、
 と資料にありました。私の車は’98頃交換してあるようでしたが念の為に交換しました。
 交換作業上の注意点は
 1.燃圧を抜く(ポンプリレーを外してクランキングする、給油口蓋を一旦外し、元に戻す)
 2.漏れる燃料の受け皿を用意(正しく作業すれば漏れる量は僅か)
 3.バッテリーからケーブルを外す
 4.作用中は火気厳禁。換気の良い所で作業する。


左側上下に燃料ポンプ2台
右の大きいのが燃料フィルター
場所は後席右下

左上隅に見えるのはフィルター内の汚れ
現在の走行距離56500km、ガソリン銘柄を変えた事も無いのですがフィルター内部には多量のゴミ(極細かい)が
ありました。フィルターが詰まると急加速時の息つきや始動不良などが考えられます。
特にKEジェトロニック式は小まめな交換が安心です。(2005/7/17)

6.燃料プレッシャーレギュレーター  (定\8,500) の交換
 燃料プレッシャーレギュレーターの周辺が黒く汚れたり、下部にガソリンの赤色が付着していたら要注意。
 Oリングの不良による滲みかも知れません。Oリングだけの交換も良いですが5万K以上交換していなければこの際
 交換しましょう。燃圧の安定に作用していますのでトラブル防止にも。
 交換はC-スナップリングを外して差し替えるだけですが、事前に燃圧を抜くこと(上記5.を参照)
 エンジンが冷えている状態で作業すること。火気厳禁!
 (2005/10/23記載)

燃料圧力調整器
周辺や下部から滲みは無いか点検

Oリングは耐ガソリン用

7.前輪ブレーキディスクローターとパッド交換
 パッド残量とローター磨耗を詳細点検。そろそろ寿命、という事で交換。(2006/3/15記載)


外したパッドの新旧(どちらも純正)
右の新品はパッド厚12mm

パッド純正品番 A 000 420 99 20
ローター 284(φ)*22(初期厚)*19.4(限界値)
旧パッドとセンサー
パッドセンサーの絶縁樹脂部がすでに
ローターに当たっていました。
Fハブ
ローターを外したらハブの錆や汚れを除去


    ローターとブレーキアンカーを取り付け
ローターはATEのPowerDisk
外周部と内周部には(接触面以外)POR-15
を塗布して錆止め

POR-15 
旧車マニアなら皆知ってる究極の錆止め
塗りたい所が一杯ある・・・
ate PowerDisk
完成
分解時に圧縮空気でブレーキダストを吹き
飛ばしてはいけない。有害です。

パッド組み付け時にはグリスの除去と塗布
及びローターの脱脂が不可欠

新品パッドを組む時にピストンを一杯に戻します
この時ブレーキフルードに注意
予め少し抜いておくと良い。

パッドとローターは組み付け前に
サンドペーパーで慣らしました。

ブレーキを数回強く踏んで確認をする
一番最初は効きが悪いので注意

 8.ウォーターポンプとホース、ベルト交換
  1年以上前からエンジン始動して数分間(冷間時)、キュルキュル音が出ていました。
  エアインジェクションポンプかウォーターポンプだろうと推測してましたが、最近は温間時にも異音が出るように。
  ウオーターポンプに間違い無いと確信して作業開始。・・・部品は一年前に調達済み。やる気の問題。
  プロの整備士でも半日作業とか。にわか整備士では一日作業は当たり前か・・・。

ウォーターポンプ交換1
狭くて取り外しには苦労します
水路には錆も無く極めて良好

ウォーターポンプ新旧
新旧ウォーターポンプ
形式変更されていますので別途必要になる
部品があります。
ウォーターポンプ旧 ホース
ベアリングからグリス漏れしていた。
手で回すと引っかかりを感じる。
ホースには滲みの跡が白く見える。
ウォーターポンプ新
新ウォーターポンプ取付
ホースも交換。ホースバンドはTOYOTA車用
純正より遥かに良いです。
水温センサー取付部形状が変更されているので別途にガスケットが必要。
ただし、水周りに銅は使わない(電蝕防止)。今回はアルミガスケットを使用。
年式によってはプラグボルトが必要になる(水温センサーで代用可)
LLCは30パーセント以上の濃度が指定されている。水道水を濾過して使用した。井戸水使用禁止。
ベルトは細かい亀裂が発生したので交換。背面の文字が見えなくなり網目も消えてきたら交換する。
作業途中で新たな発見(涙) ファンカップリングにOIL漏れ・・・ (2006/4/1記載)

 9.ファンカップリング(ファンクラッチ)交換
  前回、ベルトを外す途中で発見。ファンやカップリングフィンがオイルで汚れていました。
  以前より 風量が少ないのでは?、ラジエターが熱いのにファンクラッチが緩い? と疑っていましたが、的中です。
  交換にはファンプーリーをファンベアリングブラケットに固定する工具を必要とする。
  (4mmφの鉄棒で代用可。6角レンチでok。ただしウォーターポンププーリーを外す必要あり)

ファンクラッチ
新(左)旧(右)ファンクラッチ
旧クラッチは表裏共オイル汚れが付着
新ファンクラッチはSACHS製
ファンクラッチとベルト

  交換後は・・・冷間アイドリング時でも全く風量が違います。風切り音が違います。
  新旧どちらも手で回した感じでは違いが分かりにくいのですがエンジンを動作させれば一目瞭然。
  渋滞やエアコン使用時のアイドリングで水温が急上昇するようなら点検しましょう。(2006/4/1記載)


 10.後スタビライザーマウント(ゴム)とロッド交換
   後ブレーキ点検のついでに作業。 ロッドは樹脂製で『折れた』方もいたので 点検するなら交換 と、思い切って
   作業。ついでに後スタビライザーマウントゴムも交換。

後サスペンション stabilizer_rod

   ロッドのブッシュに亀裂もガタも無かったが、ゴム類は硬化。マウントゴムも同様でした。
   まだ、試運転もしていないので効果の程は分からない。(2006/4/15記載)


 11. タペットカバーパッキン交換
   プラグ交換時に見てしまったの。3番プラグホールにOILが溜まっていたのを。
   プラグを抜いて調査したら結局全てのプラグホールにOIL漏れが発見されました。
   前回(2004/8)のディーラー車検時にクレーム交換してもらったのですが、2005/6月のプラグ交換時に点検したら
   漏れてました。ではタペットカバーボルトを増し締め、と工具を当てたら空回りするボルトが・・・。
   どうも作業ミスかボルト固着で雌ネジをダメにして其のまま知らんぷりされたようです。
   そういえば点火コイルカバーの雌ネジもバカになってます。今まで無視を決め込んでいましたが精神衛生上良くない
   ので“ReCoil”で修正してキッチリ仕上げましょう。(2006/4/19記載)

plughall_3
OILの溜まったプラグホール
comeshaft
綺麗なカムシャフトです、傷無し
タペットカバー
カバーにはスラッジも無く良い状態
パッキンは使えそうですが新品に交換
6.3mmタップ
ReCoil専用タップでネジ切り
奥にネジ山が残っている時は先にドリルでネジ
山を削っておく事
通風孔
←← ReCoil をねじ込みます
何度も深さを確かめながら慎重に。
この後、ボルトを入れて確認します

ところでコイルなど点火機構はカバーで密閉
されていると思い込んでいましたが通風孔を発見
しました。前からファンの風を取り込めるような
構造です。カバーの後方にも隙間があります。
前部の樹脂製カバーを旨く加工すればもっと
効率良く冷却できる筈。挑戦します。
 

 12. ブレーキホース交換(ブレーキフルードも交換)
   ブレーキホースに細かい亀裂を発見。年数から推察しても交換時期である事は明白。
   もちろんいきなりパンクなんて事は無い筈ですが、過去には会員車両のホースに“こぶ”が出来ていた事もありました。
   車は“止まる”事が絶対条件ですから気になったら交換です。交換には専用工具とブレーキフルードを必要とします。
   今回は工具をnakaさんからお借りしました。(2006/5/5 記載)
   この自己作業を推奨している訳ではありません。出来れば整備工場に依頼しましょう。

旧ホース 古いホースは硬化し強く曲げると細かい亀裂
が見られます。

取り外しはマスターバックから遠い所から、
専用工具で車体側から外します。
もちろんブレーキフルードも交換です。

 注意 ブレーキフルードは有害です。
 地面に染み込ませたりしてはいけません。
前ホース 後ホース

 

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