WDB PARADISE

 以前より懸念のエアコンを修理しました。(2002/3/16)

 1年半程前、エアコンの効きが良くないので圧力測定したらガス不足。リークチェッカーで調査するも室内熱交換器かエキスパッションバルブの継手あたりか判別出来ないので(私のチェッカーは古いので微量のガス漏れは不可)、シュテルンへ持ち込み。この時 レトロフィットを施工するか迷いましたが、まだ私はR-12を在庫していた事と R-134a使用は圧力が高くなる為エアコンシステムに新たな不具合場所を発生させる恐れが有り、断念。
 シュテルンの見たても エキスパッションバルブの継手部分からの漏れ との結論だったのでR-12を持ち込み、エキスパッションバルブとリキッドタンクを交換してガス入れ。(この当時 R-12はすでに品薄状態)
 その後 無事に過ごしてきましたが、先日運転中に 窓の曇り止めが効かない状態になり点検するとガス不足。R-12はもう無いし、これは ヤバイ! と直感し、行き付けの整備工場へ直行しました。ここの整備工場も新品R-12は無いものの回収R-12(冷凍機等から濾過回収)なら充填可能との事でした。問題は何処から漏れたか? ですが、ここの整備工場には非常に高感度のリークチェッカーあるので依頼。不安は的中し室内熱交換器からの漏れ(T_T)。
 熱交換器の交換修理は諦め(単純に費用もかかり過ぎる)、魔法の薬に頼る事に。その名は Super Seal (Made in USA)

 以下 作業手順
 
 まず 十分な真空引きを行います。この時 5分以内に-75cmHgに達しない、或いは達するが5分以上-63.5cmHgを保てない場合は漏れ部の亀裂、又は隙間が大きくて修復出来ない。
 私の場合は ほぼ1日状態を保てたので修理可能と判断しました。真空引きするとシステムにかかる圧力は大気圧です。これだけで漏れていないとは判断できません。ガスを入れて運転すると一部部品には20kg/u以上の圧力がかかります。したがって極微小な亀裂等は圧力が高い状態の時に漏り、抜けて圧力が低くなると漏れも少なくなり 暫くの間は持つ。
 ※注意 完全にガス漏れ状態にした場合(完全に抜けて空気を吸っている)はリキッドタンクの交換が必要です。


 これが Super Seal (Made in USA) 赤い方から使います。
 








 説明書によれば赤いコンテナー(こう書いてある)を低圧バルブに直接ねじ込めと言うのだが(そんな都合の良い状態のバルブなど見たこと無い)、我がベンツの低圧バルブは斜め下向きなのでチャージホースを連結。
そして コンテナーの後側にあるナットを時計回りにソケットレンチを使って一杯までねじ込む(約12回転)、終ったら外して捨てる。もう一つの黒いコンテナーを接続して同じ事を繰り返す。
 

 エンジンを始動させ、エアコンの設定温度を最低温度、ファンは最大風量にしてガス充填する。
 Super Seal が十分に循環して漏れ部分に行き渡るように少なくとも30分はエアコンを作動させる。(窓は全開)

W201の規定充填量は1kgです。入れすぎない事。


 その後 24時間放置して漏れ検査しましたが異常は見られないので効果はありそうです。今後 定期的に監視して状態を掲載予定です。
 尚 この作業で使用したホース類は直ちにクリーナー等で洗浄する必要があります。赤いコンテナーの成分は湿気によって科学反応して固形になります。実験したら30分程度で乾燥した接着剤?の様になりました。従って以後はゲージの接続は止めた方が良いし、エアコンシステムの部品交換も困難に


これは 最後の手段 これでダメならエアコンを捨てるか車を捨てるか、究極の選択が楽しめます。

分かり難いでしょうが スポイトに採った赤いコンテナーの内容物です。 茶褐色のOIL状態でした。










 4月末 現在、漏れは確認できません。尚 熱交換器(エバポレーター)はエンジンルーム側から交換できます。
ただし 190Eシリーズのみ、W124、W126その他シリーズは内装を外しての交換作業になります。